司会 昨年は、史上初の本俸切り下げ、公務員制度「改革」、有事法制と暗い話題が多かったように思いますが、フレッシュな皆さんとともに、職場の現状とこれからの労働組合活動について話し合いたいと思います。それでは、自己紹介からお願いします。
内川 全港建の内川です。採用二年目です。横浜港湾空港技術調査事務所の技術開発課で働いています。仕事の内容は、港湾空港にかかわる公共事業の技術調査や設計をしています。
篠原 全建労の篠原です。採用七年目です。職場は横浜国道工事事務所の経理課です。事務所は、名前のとおり国道の維持管理などをやっています。全港建の方には学習会に来てもらったこともあります。
入江 全気象の入江です。採用六年目です。職場は新東京航空地方気象台(成田)観測課です。仕事の内容は、飛行機の離着陸にかかわる航空気象観測をやっています。
福嶋 全運輸の福嶋です。昨年採用されました。職場は国土交通省交通調査統計課です。仕事の内容は、全国の自動車の中からサンプルを選び調査をしています。私は、まだ免許も無く、自動車についてもわからなく大変です。
高橋 建交労の高橋です。建交労とは「全日本建設交運一般労働組合」の略称で、民間で働く建設、運輸労働者でつくる労働組合です。その、神奈川県のダンプ支部で働いています。仕事の内容は、ダンプ労働者の労働条件の改善に向け、県や国土交通省と交渉しています。また、ダンプ労働者の組織拡大をしています。
司会 労働組合のイメージってどう感じていますか。また、採用後すぐに加入しましたか?
入江 職場では活動が盛んなので、すぐ加入しました。
福嶋 誘われて加入しました。
内川 入省初日に説明を受けて加入しました。何をしているかわからなかったけど、飲み会の時に職場の先輩と話をして、「なるほど」と思いました。
篠原 入ってすぐに先輩に熱心に訴えられ、なんとなく加入しました。
青年をとりまく職場の状況
司会 定員削減がすすめられ、職場はどのように変わりましたか?
内川 省庁再編に伴い、地方整備局になるときに東北と関東に別れたので人が減ったと先輩から聞きました。
篠原 採用時より確実に人は減っています。でも仕事が減ってないから忙しくなるいっぽうです。
入江 観測などの機械化を理由に、定員削減が強行されています。しかし、技術的に不完全であり、雷や雹(ひょう)などの観測は人の目や耳によらないとできず、場当たり的な定員削減は良くないなと思います。
司会 高橋さんはよく国土交通省に行くと聞きましたが、国土交通省も省庁再編と定削に伴い人が減っており、対応とか変わったと感じることはありませんか?
高橋 建設現場では、現場の監督員が少ないと感じます。公務員の数が少なくなっていることもあって、必要なところに必要な定員を配置していない。もっと、増員して欲しいという声も聞きます。ほかにも、職安にも行くこともありますが、長時間待たされることもあります。
司会 本省は残業が多いと聞きますがどうですか。また、各職場の勤務状況はどうですか?
福嶋 私はそんなに遅くはないけど、なかには夜中の二時にタクシーで帰る人もいると聞きます。
内川 発注時期などには、超勤することがあります。また、工事業者との関係で、土日出勤もあります。
篠原 結構多いです。経理課なので年度末は特に多くなります。
入江 成田空港の観測課では三人一組で日勤、夜勤と交代勤務をしています。他の地方気象台では、二人一組で観測や予報をおこなっており、きついと聞きます。
篠原 全建労で調査した結果、超勤が年間最高一、八〇〇時間という人もいるようです。
全員 年間一、八〇〇時間〜(驚き)
高橋 私は、土日・夜も働いている方たちもいるので土日に休めないこともありますね。ところで、みんさん、残業代はキチンともらっていますか?
内川 未払いはあります。サービス残業を強いられている職場もあり、未払いをなくして欲しいと言うのが、そこで働く仲間の悲痛な願いです。
福嶋 わたしは超勤が少ないですけど、同期で深夜まで超勤をしていてもすべてはもらっていない、という人もいると聞きます。
高橋 サービス残業は違法だと厚生労働省が通達を出しているのに、国で働いている人たちがサービス残業しているのって悲しいですね……
職場での組合活動 レク活動を楽しく
司会 職場ではどのような活動をしていますか?
内川 青年部の執行委員と支部青年部の部長をしています。今の事務所は、省庁再編の時、二つの事務所が一つになったけど青年部がすぐに立ち上がらなくて、この間の夏に、ビアガーデンで立ち上げました。主に、要求活動とレク活動をやっていきたいと思っています。
入江 青年部ではありませんが、親組織の関東中部地本で執行委員をしています。
篠原 なかなかうまく運動できていませんけど関東地本の青年部長をやっています。
福嶋 分会の青年部の役員をしています。気づいたら名前がありました。活動としては、春にボウリング、秋にキャンプ、冬にはスキーをしています。参加者を集めるのが大変ですが、活動自体は若い人が集まるので楽しいです。キャンプを企画したけど雨で流れてしまった時は残念でした……
高橋 神奈川労連青年部で書記長をしています。レク以外には、桜木町駅前で「有事法制」反対のビラ配布もしました。また、今回の人事院勧告を受けて、最低賃金が上がらなく、横浜第二合庁の前で、神奈川の最賃七〇六円にかけて七〇六分のハンガーストライキをやりました。しかし残念なことに参加したのは、民間労組の青年だけでした。結局、七〇六分ハンストをおこない、その後、朝まで飲んでいました(爆笑)。また、最低賃金で一ヶ月生活する体験もしています。只今、体験中で月に使えるのは四万八千円で、一〇日経ってあと二万円しか残っていません。一番お金がかかるのは食費ですね。減らすしかないので、一日二食とかになりますね。
内川 何があっても一ヶ月は続けるのですか。
高橋 マイナスになってもやります。しかし、みんな生活できません。実際、憲法で「健康で文化的な生活を営む権利がある」と保障されているが、最低賃金では生活できないですね。それで、最賃一、〇〇〇円以上に引き上げてくれと要求を掲げ、労働局に交渉に行きます。交渉の日に最賃体験中の人があまり食べてなく、合庁の前で朝ビラ中に倒れたこともありました。
夢を持って公務員になったのに
マイナス人勧 民間に働く人にも影響
司会 人事院が史上初のマイナス勧告を出しましたが、どう思いますか?
福嶋 まだ実感はないですが、入ったばっかりなのに下げられるなんてひどいです(怒)。夢を持って入ったのに。一年目からこんな事になるなんて思っていませんでした。
内川 マイナス人勧は、不利益不遡及の原則を打ち破るもので許せないです。私の同僚にも賃金の計算をしている人がいるけど、自分の給料を減らす仕事で遅くまで残っており、精神的につらいと言っています。
篠原 許せないです。本俸がマイナスというだけでも許せないのに、四月からの遡及ですからね。
司会 マイナス人勧がでても、まだ公務員の方が恵まれており、もっと下げてもいいのではとの声を聞きますが、どう思いますか?
高橋 組合員の中では、公務員の賃金を下げていいと思う人はいないです。組合未加入者や同世代の青年は公務員は恵まれていると言いますが、公務員の賃金水準は私たちの目標です。
マイナス人勧は、民間企業で働く人たちに大きな影響を与えます。会社側から「公務員の賃金が下がったから下げる」といわれかねないので、重視しています。公務員の賃下げはおかしいという声を上げ、共同のとりくみをしないといけないですね。(一同納得)
公務員制度「改革」 公正な「評価」は難しい
司会 公務員制度「改革」って聞いたことがありますか?
内川 知っています。民間でも、「能力・業績主義」は見直されており、公務員にもなじまないです。「能力」と「業績」で決めるとなると基準が難しいと思います。例えば、公共事業では、高い工事を担当したら成績がよいのか。そうなると評価の高い業務に集中し、他の業務がおろそかになる可能性があります。また、評価する人に気に入られようとする行為が起きてしまうことも考えられます。
篠原 絶対に無理だと思います。何を基準に評価するのか困るでしょうね。発注金額などで評価出来るはずはなく、難しいと思います。
入江 私も聞いたことがあります。気象事業には、相いれないと思います。
高橋 公務員の能力ってなんなのかって思う。国民の声を聞くのが能力なのか、国民の声を受け付けずに上手くやることが能力なのか、そこで評価が別れるのかなと思うのですが。ちなみに、公務員にはスト権はないのですよね?
司会 はい、ありません。
内川 人事院は、労働基本権が制約されたなかでの代償機関と聞くが、組合の上京団に参加しても、公務員の味方に本当になってくれているのか?という思いがあります。
高橋 公務員給与が下がり続けた時にスト権がないというのはおかしいと感じると思います。公務員がストライキをやると迷惑だからやるなという声は強いと思います。神奈川のある私鉄は、毎年「明日からストに入ります」と看板で掲げていました。「ご迷惑を掛けるかも知れませんが分かって下さい」と。結局はやらないけど、それを毎年続けると受け入れられてくると思います。
司会 高橋さんが言われるように、公務員もこれから毎年賃下げされ続けると、ストライキをやらないといけないという感じを持つし、ストライキを応援する世論に変わってくれるのかなと考えられます。
「有事法制」もっと興味を持ってほしい
福嶋 最近、職場の中で「有事法制」反対の署名が回ってきました。決まったらどうなるのですか?
司会 国会に法案が提出されましたが、私たちの運動で成立させませんでした。
国土交通省で働く労働者は、戦争が起きた場合、道路や橋、港や空港施設、航空管制、気象情報などについて軍事協力させられるおそれがあります。
高橋 ビラを配っていても反応は多いです。戦争はイヤだとか、平和を願うのに戦争に巻き込まれるのはイヤだと言う若い人たちの声は多いです。
内川 「有事法制」の内容を見ると、「有事」と言いつつも日本を守ることより、周りの国に攻撃をかけるのではないかと思います。
篠原 戦争になると一番に行かされるのは若い人ですから、若い人にもっと興味を持ってもらいたいです。
入江 戦争になると、国民向けの気象情報がシャットアウトされてしまいます。
高橋 「陸・海・空・港湾労組二〇団体」に加盟している一組合として、神奈川で「有事法制」反対のデモなど積極的に参加しています。
福嶋 日本には世界に誇れる憲法九条もあります。
将来への不安みんなで変えるしかない
司会 一〇年後、二〇年後はどうであればいいと思いますか?
内川 公共事業は、今、不況とかで過渡期にあるのかな。今のままではないと思います。
篠原 そうですね。これから変化すると思います。
入江 定員削減が続き組織がどうなるか心配です。
福嶋 民間委託が進み、仕事がなくなってしまうのではと不安を感じます。
司会 労働組合に対する期待などありますか?
内川 厳しい時代だから頑張って欲しいし、一緒に頑張っていきたい。仕事は好きで始めたもので、人減らしとかでやる気を削がれてしまうのは寂しい。納得して気持ち良く働ける職場になったらいいなと思います。
入江 組合費が高いことを理由で離れていく人がいることが寂しい。そんなことを感じさせないような組合になって欲しいです。
篠原 やっぱりみんなで変えていくしかないです。確かに組合に入ってくれない人も多いですけど、そのうち「必要だ!」って時がくると思います。
高橋 どうやって働く人の雇用と暮らしといのちを守っていくのか。やっぱり国民のための正しい政治をやってもらうように、政府に働きかけていくことも労働組合の役割だと考えます。
福嶋 組合って何となく固いイメージがあります。しかし、一人ひとりの意見を反映するために組合は必要であり、勉強になりました。
内川 組合が何をやっているかが見えてこないとメリットを感じないと思います。普段から周囲に活動していることを教えることが大切だと思います。
福嶋 これから覚えていくこともいろいろとあるし、話す内容とかが堅くて緊張しちゃうんですけど……
高橋 労働組合って固いイメージもありますが、どれだけ柔らかく話ができるか、分かり易く教えてあげられるかで、理解が深まり、入ってくるのに抵抗がなくなると思います。
司会 労働組合をやっていく上では必要なことでもあるけど、活動していくうちにわかってくると思います。みなさん、これからも頑張ってください。(終)
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参加者の紹介
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◇全運輸◇
本省支部 |
福嶋 枝里子さん |
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全建労
横浜国道支部 |
篠原 賢祐さん |
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◇全気象◇
関東中部地本 |
入江 和紀さん |
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◇全港建◇
横浜技調支部 |
内川 直洋さん |
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| ◇建交労◇ |
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高橋 英晴さん |
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| ◇司 会◇ |
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和田 孝一さん |
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